電車の中、斜向かいに赤ちゃんを抱いたママ。その真向かいに、それはあちらの方とすくにわかる人、893。派手な出立ち、金のブレスレットにビカビカのネックレス、大きめの指輪、オマケにサングラス。その横には誰も座らない。
しばらくすると赤ちゃんが急にぐずり出し、ギャーギャー泣き出した。前の893が怖くて泣いたかはわからないけど。電車の中に鳴き声が端から端まで響きわたる。ママも黙らせようと必死にあやしている。前の人が気になるのか、チラチラ見ながゆすったり、撫でたり。893の方は、微動だすらしない。でもイライラ感が漂っている。なんか前の親子を睨みつけてるようにも感じる。
全然泣き止まない。こういう時の親御さんは大変だ。
赤ちゃんは、手足を突っ張ってイヤイヤで大泣きだ。ママは、落っこちないように必死に抱き抱える。
その時、893の方が赤ちゃんの前に立ち、サングラスをとって、いないいないバー。目を寄せたりして、もう一度いないいないバー。ビックリしたのかどうかは定かはありませんが、ピタリと泣き止みました。サングラスのない顔は、とても柔和で、愛嬌がある893。いや普通の人？
車内は、なんかホットな空気に一瞬で変わりました。
やがて駅に着き、そのまま降りて行きまました。
本当は、あちらの方ではないのでは？反省、人を見た目で決めてはいけません！